スピーカーの位置を調整する 2

夜が明けた。元旦である。
初日の出は盛大なゴーストを伴いCCDに記録された。
スピーカー調整ページの続編を作成するのに1ヶ月、間が空いた。
お待たせして申し訳ございません。

さて、なかちゃんのシステムでは一体どんな問題が発生したのか?
大晦日の調整でかなりの質感向上が行え、しばし聴き込んでいたのだが何か釈然としない・・・。

そう、音が前へ抜けて来ないのである。
音のエネルギーが2本のスピーカーの間で止まっている。
スピーカーとなかちゃんの間に透明のビニール膜(ガラスではない)がある様な印象なのだ。

暫く我慢して聴いていたが、だんだんストレスが溜まってきた。
再調整である。

問題の原因はなかちゃんのスピーカーがホーン型である事である。

ホーンスピーカーとはラッパ状のホーンの後方にコンプレッションドライバーというユニットが
取り付けられており、その名の通り、振動板から出た音波が振動板の直径より狭い
スロート部を通る際音圧を上げホーンによって拡散、放射される仕組みとなっている。

ドーム型などのユニットは振動板が露出した形になっており、振動板から出た音が
直接広範囲に拡散されることで指向性の広さを確保している。

しかし、ホーン型スピーカーのホーン部はいわゆるメガホンの様な形をしており
聴き取り易い代わりに音が前方に集中し指向性の広さが確保しにくくなっている。
このため前回調整したスピーカーの振り角では音軸の中心が内側に向き過ぎるため
試聴位置では音軸の中心からかなり外れた音圧の低い部分の音を聴く事となる。

そう、ホーンスピーカーでは指向性が狭いため、音質の最も良い部分がホーンの
真正面に集中するのである。

部屋とスピーカーの位置関係で響きや倍音が綺麗に出る位置出しを行ったが
この際スピーカーの向きを試聴位置へ真っ直ぐ向く様に変えてみる事にする。

上の眩しい画像と比較すると、かなり振り角は小さめとなった。

この状態で聴いてみると音のエネルギーがこちらへ向かって来る様になる。

先程のストレスもかなり改善され気分良く聴ける感じとなった。
しかし、これでもまだ何かが足りない。
左右のスピーカーの中央部分の音が薄く聴こえるのである。
この振り角にした場合、スピーカーの間隔が広過ぎる様だ。

この後、スピーカーをそれぞれ内側へ約5cmづつ程度移動し、
再度レーザーセッターで調整を行った。

これで音の密度が増し、エネルギー感が向上した。
音に引っ掛かりがなくなり非常に気持ち良く聴ける様になった。

試聴位置から見た
左スピーカー。
リスニングポジションへ向かって殆ど真正面向きである。

同じく右スピーカー
こちらもリスニングポジションに向かって真正面向き。

質感、密度感、ヌケの良さが向上した事で、音のクォリティーも更に向上し
実在感たっぷりの音質となった。

これで一通りの調整は終了です。

今後は音楽を楽しみながら、何か気が付いた時に再調整を行う事にします。

普通のダイレクトラジエータータイプのスピーカーなら、このセッティング2の様な
調整は必要なかったのですが、何故こんなしんどい思いをしてまでなかちゃんは
ホーンスピーカーを使うのか?

また、ホーンスピーカーは音が前へ飛び出してきてきつい、うるさいなどと思って
おられる方もいる事と思います。
実はなかちゃんも同感です。
では何故なかちゃんはホーンスピーカー???

この事についてはまたコラム風にでも記事を書こうと思います。

次回、ちょっとしたアクセサリーを試してみるつもりです。

お楽しみに。

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