超簡易ルームチューンに挑戦

昔から部屋もオーディオの一部とはよく言われている言葉である。
なかちゃんの部屋は和室の畳を取って簡単なフローリングに張り替えただけの
洋室風の実は和室である。といっても床をフローリングに変えるだけでも音質は
見違える様に変化する。やはり畳のように柔らかい床の上にセッティングしたオーディオは
音の芯が抜けるというかカッチリとした音にならない様で、フローリングにした途端に輪郭がはっきりとし細部の見通しが良くなる。
しかし、壁は石膏ボード、天井はベニヤ板という和室の特徴はそのままである。
だからといって壁や天井を補強したり交換する様な工事をする気はない。
今までは、「要は音が良けりゃ何だっていいだろ」という考えでオーディオの調整を行い音楽を聴いていた。そしてその音質に特に不満は持っていなかった。

前回、スピーカーの位置調整を行って音場感や定位感が向上し満足して音楽を楽しんでいたが、今まで面倒くさくてやっていなかった事がある。部屋の壁や天井に丸いフェルトのシートを貼るだけという簡単な事である。(なかちゃんはものぐさなのです。)

壁と天井に貼るのはこれ。
ホームセンターで8枚入り148円の粘着フェルトである。

中身はこんなのである。

    

この粘着フェルトをまず部屋のコーナー(隅)に貼ってみる。
左の写真の様に部屋のコーナーから壁2面と天井の3面に対して角から10cm〜15cm程度の位置に3箇所貼る。(写真の真ん中のフェルトはなくてもいいです)
これを天井と壁のコーナーで部屋の前後左右の計4箇所に施す。

この状態で音楽をかけてみる。ムムッ、S/N感が向上しているではないか。音場がクリアーになり、雑味が取れている。たったこれだけなのに!?不思議なものである。

これだけなら3枚×4箇所=12枚で8枚入りの粘着フェルトが2袋あれば事足りるおもいっきり安上がりである。
しかし、なかちゃんはやりだすととことんやらねば気が収まらない性分の持ち主でもある。やるならとことん!

という訳で粘着フェルトを10袋購入しておいたので、コーナーとコーナーの間にもフェルトシートを貼っていく事にした。

上の写真の様にコーナー間を2等分、4等分していくようにフェルトシートを貼っていく。この時、きれいに貼ろうとはせず、ずれたものはずれたものとして少し歪になってもそのまま貼っていく。あまりきれいに並べると音の反響に規則性が出来るのではないかと考えたからである。(きっと思い込みだろうけど)

さあ、ここで音楽を再生。うーん、更にすっきりクリアーになってき・・・・・あれっ?なんだか変だぞ。高域方向、ボーカルの高音部や周波数の高い所の音が痩せて聴こえる。何でだろ??

これはきっとやり過ぎなのだろう。と思いフェルトシートを少し剥がそうとしたが、ちょっとまてよ、慌てない慌てないもう少しこのまま聴いてみよう。こういう時にあわてて何かしてもたいがい結果は良くないものなのだ。とはなかちゃんの経験に基ずく感覚である。

そのまま数日が経った。音のバランスに変化はない。しかし、痩せているはずの高域方向の音には何か今まで以上の彫りの深さや立体感がある。ここでなかちゃんは気づいたのです。
「ああっ、こ、これはっ!」そう、高域方向の音が痩せたのではなかったのです。高域方向の部屋の反響が減衰していたのです。そのためクリアーに見通しが良くなったにも関わらず、中域、低域の反響音があり相対的に高域が痩せた様に聴こえていただけだったのです。という事はなかちゃんのオーディオルームには今まで結構な反響音があった事になる。気にしていなかったがこの状況から考えると結構な量の反響である。それが豊潤なイメージや響きの良さを演出していたのか。

こうなるともう部屋全体にフェルトチューンを行うしかない。ホームセンターへ追加のフェルトシートを買いに行き更に作業は継続される事となった。

貼りまくってやるぅ〜

ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺ・・・・・・・

で、上の写真の様になった。こうなると部屋の感じは一変。ちょっと異様な感じがする。しかし、なかちゃんはめげない。天井にも貼ってやる。

貼りました。

合計4回、2週間に渡ってホームセンターへ粘着フェルトを買いに走り、全部で36袋、288枚のフェルトシートが部屋中に貼りまくられたのでありました。
この状態で音楽を聴く。彫りが異常に深く奥行き方向への前後感がかなり深くなり声、楽器の細部の質感は異常に良く聴き取れる様になった。しかし、まだである。豊潤さがない。このままでは音楽が楽しくない。楽しくないものをなかちゃんは趣味とは呼ばない。趣味とは呼べない状態で更に3日程音楽を聴いた。釈然としない。しかし、この抉り出す様な細部の再現性は尋常ではない。音そのものは間違いなく良くなっている。全体のバランスが取れていないのだろう。どこがおかしいのか考えながら聴いているとふと思い浮かんだのは以前に行ったスピーカーの位置調整である。

あっそうか。こんだけフェルトシートを貼るために部屋中動き回ったんだ。
スピーカーの位置が微妙にでも動いていたとしてもなんら不思議はない。という事で再びスピーカーセッティングをやり直す事に。

スピーカー位置調整アクセサリー「レーザーセッター」の登場である。

なかちゃんのスピーカーは指向性の強いホーンスピーカーなのでレーザーセッターの起点は頭よりやや後方である。

スピーカーの位置あわせが終った。では音楽を聴いてみよう。

おおっこれはっ!!   素晴らしい!豊潤さと響きの良さが出た。気色悪い程リアルである。明らかに今までと次元の違う質感の高さとなった。勿論この後ディスクをとっかえひっかえ音楽を聴きまくった。う〜ん、よは満足ぢゃ。

しかし、それでも音質が向上した事によって新たな問題点が浮き彫りになった。そう、床である。盛大に鳴いているではないか。他が静かになったのでよくわかってしまう。とりあえずウーファーから出た音が最初に床に当たって反射するイメージでウーファーの少し前方に吸音出来る何かを置いてみよう。

良くなった。低域の底の方が明瞭になり低域方向の分離感がぐんと向上した。
良いではないか。

しかし根本的な改善をするのなら床そのものの強度を上げなければならない。でももうそこまでする気はない。(よ〜しません)
ま、これで十分音質は良くなった。文句はない。

なかちゃんの知っておこう!

音質が良くなると今まで気づかなかった問題点が浮き彫りになる事があります。それは今までは問題点がわかる程の質感の高さがなく、他の問題点の中に沈んでいてわからなかっただけの事なのです。質感が高まり細部が見える様な音になればなる程、問題点がわかりやすくなり悩まされる事になるのです。
そう、音が良くなればなる程、セッティングや調整はよりシビアなものとなり、場合によっては気が狂いそうになる程です。

この超簡易チューンで手軽に効果を出したいのなら、部屋の上部4隅にだけ粘着フェルトを貼ってみましょう。それだけでも結構良くなります。チャレンジ精神の旺盛な方はどんどん貼って下さい。頭がおかしくなりそうになってもなかちゃんは関知致しませんが一言、色々な意味でのバランスを失わずにオーディオと向き合ってください。ちなみになかちゃんはどこまでも突き進みます。(たぶん)

あれっ。これって途中から簡易チューンじゃなくなってる。・・・ごめんなさい。

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